耐震リフォームの前に耐震診断助成制度と耐震改修等助成制度を知っておこう

耐震リフォームの前に耐震診断助成制度と耐震改修等助成制度を知っておこう
numacci5050

今日は多くの方が関心を持っている「耐震リフォーム」について、特に知っておくと得をする「耐震診断助成制度」と「耐震改修等助成制度」についてご紹介します。地震大国日本では、住宅の耐震性を高めることは私たちの命と財産を守るために非常に重要です。

しかし、耐震リフォームには費用がかかるため、二の足を踏んでいる方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、費用負担を軽減できる各種助成制度について詳しく解説していきます。

※本記事の情報は執筆時点のものです。最新の助成制度や条件については、お住まいの自治体にご確認ください。

耐震リフォームとは何か?

耐震リフォームとは、地震が発生した際に建物が倒壊しないよう、弱い部分を補強して強度を持たせる改修工事のことです。壁や基礎を補強するなど、建物の構造自体に手を加える大掛かりな作業になることもあります。

多くの方は「お金に余裕がないし、大きな地震ではどうせ壊れてしまうのだから意味がないのでは?」と疑問に感じるかもしれません。しかし、耐震リフォームの目的は建物の完全な保護だけではなく、被害を最小限に抑え、避難する時間を確保することにもあります。つまり、私たちの命を守るための重要な対策なのです。

耐震リフォームのメリット

耐震リフォームには以下のようなメリットがあります。

  • 地震時の倒壊リスクが低減する
  • 家族の安全を確保できる
  • 資産価値が向上する
  • 将来的な修繕費用の削減につながる
  • 心理的な安心感を得られる

耐震リフォームが必要なケース

耐震リフォームが特に必要とされるのは、以下のようなケースです。

  • 旧耐震基準(1981年5月31日以前)で建てられた住宅
  • 平成12年(2000年)改正前の新耐震設計基準で建てられた住宅
  • 老朽化が進んでいる建物
  • 過去の地震で損傷を受けた建物
  • 耐震診断で評点が低いと判定された住宅

特に1981年以前に建てられた住宅は、現在の耐震基準を満たしていない可能性が高いため、耐震診断を受けることをおすすめします。

耐震診断とは?

耐震診断とは、住宅の耐震性能を専門家が調査・評価する作業です。この診断によって、あなたの住宅が地震に対してどの程度の強度を持っているかを数値化して知ることができます。

耐震診断の種類

耐震診断には主に以下の2種類があります。

簡易診断
チェックリストを使って行う簡易的な診断方法です。建物の外観、基礎、床下と屋根裏、間仕切り、筋かいの施工状況などを確認し、耐震強度の目安を示します。費用は比較的安価ですが、詳細な強度評価はできません。

精密診断(一般診断)
設計図書や建物の詳細な調査に基づき、専門的な計算方法で耐震性能を評価します。外観、基礎、床下と屋根裏、間仕切り、床、筋かい、接合部分の施工状況などを詳細に調査し、耐震診断報告書を作成します。この診断結果は耐震改修工事計画の策定に活用できます。

耐震診断助成制度について

多くの自治体では、住宅の耐震診断に対して費用の一部を助成する制度を設けています。これにより、費用負担を軽減しながら自宅の耐震性能を知ることができます。

助成制度の一般的な内容

自治体によって詳細は異なりますが、一般的な助成内容は以下の通りです。

  • 診断費用の2/3程度を助成
  • 簡易診断の場合、上限額は約4万円
  • 精密診断(一般診断)の場合、上限額は約10万円

対象となる住宅の条件

多くの自治体では、以下の条件を満たす住宅が助成の対象となります。

  • 昭和56年5月31日(旧耐震基準)以前に建築された住宅
  • 個人所有の住宅(空き家も含む場合がある)
  • 木造戸建住宅(地域によっては他の構造も対象)

耐震改修等助成制度について

耐震診断の結果、耐震性能が不足していると判断された場合、耐震改修工事を検討することになります。この工事に対しても、多くの自治体で助成制度が設けられています。

助成制度の一般的な内容

自治体によって詳細は異なりますが、一般的な助成内容は以下の通りです。

  • 耐震補強設計:費用の2/3程度を助成(上限額は約5万円)
  • 耐震改修工事:費用の15.2%程度を助成(上限額は約30万円/住戸)

マンションの場合は、住戸あたりの助成額が設定されていることが多いです。

対象となる工事の条件

多くの自治体では、以下の条件を満たす工事が助成の対象となります。

  • 耐震診断の結果、上部構造評点が1.0未満と診断された住宅
  • 工事後に上部構造評点が1.0以上となる計画であること
  • 自治体が定める基準に適合する工事内容であること

高齢者等を対象とした特別な助成制度

一部の自治体では、高齢者や障害者がいる世帯を対象に、より手厚い助成制度を設けています。これは、避難が困難な方々の安全を特に確保するためのものです。

対象となる世帯

  • 世帯員に65歳以上の者を含む世帯
  • 世帯員に障害者(身体障害者手帳の交付を受けている者)を含む世帯

助成の対象となる工事

  • 上部構造評点0.7未満の住宅を0.7以上にする部分耐震改修
  • 上部構造評点1.0未満の住宅に耐震シェルター等を設置する工事

耐震改修の具体的な工法

耐震改修には様々な工法がありますが、木造住宅の場合は主に以下のような方法が用いられます。

木造住宅の耐震改修工法

基礎の補強
老朽化した基礎や強度不足の基礎を補強します。場合によっては基礎の打ち直しが必要になることもあります。

接合部の補強
はり・土台・柱・筋かいなどの接合部を金具で補強します。これにより、地震の揺れによる建物のゆがみを防ぎます。

耐力壁の増設
筋かいを入れたり、構造用合板を張って強い壁(耐力壁)を増やします。これにより、建物全体の耐震性が向上します。

屋根の軽量化
重い瓦屋根を軽量な屋根材に交換することで、地震時の建物への負担を軽減します。

鉄筋コンクリート造等の建物の耐震改修工法

マンションなどの鉄筋コンクリート造の建物では、以下のような工法が用いられます。

  • 後打ち壁の増設
  • 鉄骨枠組補強
  • 外付け鉄骨補強
  • バットレスの増設
  • 柱巻き付け補強
  • 耐震スリットの新設
  • 重量低減
  • 免震構造化
  • 制震機構の組込

耐震改修の効果

国立研究開発法人防災科学技術研究所のE-ディフェンスでは、旧耐震基準で建設された木造住宅を使って、耐震補強の効果を検証する実験を行いました。同じ仕様の2棟の住宅のうち、1棟は現在の技術で耐震補強し、もう1棟は無補強のまま、阪神淡路大震災相当の地震波による振動実験を行ったところ、補強した住宅は倒壊を免れました。

この実験結果から、適切な耐震補強を行うことで、大地震においても建物の倒壊を防ぐことが可能であることが実証されています。つまり、耐震リフォームは私たちの命を守るために非常に効果的な対策なのです。

耐震リフォームの費用相場

耐震リフォームの費用は、建物の状態や規模、工法によって大きく異なります。一般的な費用相場は以下の通りです。

  • 耐震診断:5〜15万円
  • 耐震設計:10〜30万円
  • 耐震改修工事:100〜300万円

ただし、これらはあくまで目安であり、実際の費用は建物の状況によって変動します。助成制度を利用することで、自己負担額を大幅に軽減できる可能性があります。

税制優遇措置について

耐震改修を行った場合、所得税の特別控除と固定資産税の減額を受けることができる場合があります。

所得税の特別控除

耐震改修工事を行った場合、一定の条件を満たせば所得税の特別控除を受けることができます。控除額は工事費用の10%程度(上限25万円)となることが多いです。

固定資産税の減額

耐震改修工事を行った住宅は、一定期間(通常1〜2年)固定資産税が減額されます。減額率は自治体によって異なりますが、一般的には50%程度です。

助成制度の申請方法

助成制度を利用するには、一般的に以下のような手続きが必要です。

事前相談

まずは、お住まいの自治体の担当窓口(住宅政策課など)に相談しましょう。制度の詳細や申請方法について説明を受けることができます。

申請書類の提出

必要な書類を揃えて申請します。一般的に必要な書類は以下の通りです。

  • 申請書
  • 住民税・固定資産税の納税証明書
  • 住宅の建築年次が確認できる書類(固定資産税の課税明細書など)
  • 建物が共有物である場合は共有者全員の同意書
  • 申請者と居住者が異なる場合は居住者の承諾書

助成金の交付決定

申請書類を審査の上、助成金の交付が決定されます。この決定通知を受けてから、診断や工事の契約を行います。

診断・工事の実施

自治体が指定する事業者に依頼して、診断や工事を実施します。

完了報告

診断や工事が完了したら、完了報告書と以下の書類を提出します。

  • 診断報告書または工事完了報告書
  • 契約書の写し
  • 請求書・領収書の写し

助成金の受け取り

完了報告書の確認後、助成金額が確定し、指定口座に振り込まれます。

耐震リフォームを検討する際の注意点

耐震リフォームを検討する際には、以下の点に注意しましょう。

信頼できる業者の選定

耐震リフォームは専門性の高い工事です。必ず実績のある信頼できる業者に依頼しましょう。自治体によっては、指定事業者リストを公開している場合もあります。

総合的なリフォーム計画

耐震リフォームは、他のリフォーム工事(断熱改修、設備更新など)と同時に行うことで、工期の短縮やコスト削減につながることがあります。総合的なリフォーム計画を立てることをおすすめします。

助成制度の期限確認

助成制度には申請期限があります。また、予算に限りがあるため、早めに申請することをおすすめします。

詐欺的な勧誘に注意

「無料で耐震診断します」などと言って訪問し、不必要な工事を勧める悪質な業者もいます。自治体は電話やポスティング、個別訪問等によるPRは行っていませんので、不審な勧誘には注意しましょう。

まとめ

耐震リフォームは、地震大国日本において私たちの命と財産を守るために非常に重要な対策です。費用面での負担が大きいと感じる方も多いですが、各自治体では耐震診断や耐震改修に対する様々な助成制度を設けています。

まずは自宅の耐震性能を知るために、耐震診断を受けることをおすすめします。診断結果に基づいて、必要な耐震改修工事を計画し、助成制度を活用して費用負担を軽減しましょう。

地震はいつ起こるか予測することは困難です。「備えあれば憂いなし」の精神で、今すぐ耐震対策に取り組んでみてはいかがでしょうか。お住まいの自治体の担当窓口に相談して、あなたの住まいに最適な耐震対策を見つけてください。

ABOUT ME

Warning: Undefined array key 0 in /home/iohtsuki/i-ohtsuki.jp/public_html/wp-content/themes/jinr/include/shortcode.php on line 306
記事URLをコピーしました